実用も近い介護・介助ロボット [ロボット]
◆病人の介護・介助は大変な体力と労力を伴う。病院においても看護師
不足が深刻化するなか、医師や医療従事者など関係者の間ではこれを
ロボットに任せられるならば、とロボットへの期待感は高まっている。
将来、私たちに代わって家庭内で働いてくれるハウスロボットは、洗濯
機、食器洗い機など家電製品にその萌芽とも言えるものを見ることができ
る。しかし最もニーズの高いロボットのひとつといえる介護・介助に関して
はだ先の話だと思われている。
◆ロボット開発にも力を入れているトヨタ自動車が、ロボット事業で目指す
ものとして、家事支援とともに介護・福祉の分野を挙げているが、なかで
も少子高齢社会を背景にした介護・福祉分野のロボットへの期待は強い。
そうした中、トヨタ自動車は、病院で使う介助ロボット事業に進出すると
いう。すでに動く障害物も避けて移動できる二輪走行型ロボットの開発に
めどをつけており、これを病室内で患者の身の回りの世話をする“介助ロ
ボ”に応用するというものだ。
たとえばベッドの上で患者が指示すると、その内容を理解し、病室内の
離れた場所にあるリモコンをアーム(腕)で取り上げて、戻ってくるという。
しかも、車輪を採用した二輪走行タイプで、「レーザー変位」技術で自分
の位置を認識しながら、自分で経路を設定し、自律移動することができる。
このため室内にいる人を避けて移動しすることもできる。
人との会話もできる。これは画像認識、音声認識、知能化システム技術
を組み合わせたもので、人間の発した言葉(単語)を理解することを可能
にしている。人が「ペットボトルを取ってきて」と話すと、ロボットは「はい。
どこにあるの?」と話しかけてくるという。
◆また、理化学研究所バイオ・ミメティックコントロール研究センター(名古
屋市守山区)は、触覚センサーを使って人間を優しく抱き上げるロボット
「RI―MAN」(リーマン)を開発している。
これは人の介護を目的としたロボットで視覚や聴覚、嗅覚の機能も備え
た人間型だ。
このリーマンは身長158センチ、体重100キロだが、柔らかいシリコン
素材でできているので、人と接してもロボット特有の固い金属の感触を少
なくしているという。
腕と胸の計5カ所には触覚センサーを埋め込まれており、ここにかかる
圧力の強弱を感知して、上体と腕の動きを制御する。
カメラで人の動きを感じ取って、嗅覚センサーでアンモニアやアルコール
など8種類のにおいをかぎ分けることもできるという。
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